一級認定試合

 平成15年12月13日、八幡西柔剣道場(別名:則松道場)で試合。

 道場には試合開始1時間以上前について、柔道着に着替えて試合場に行く。既に中高校生が打ち込み等の練習をしているが、こちらは一人だけなので準備運動をして、足払いと支え釣り込み足の一人練習。実を言うとこの時、ちょっと使える技は、支え釣り込み足のみ。投げ技は、逆に返されるのが怖くて掛けきらない状態。
 周りを見回すと中学生たちの打ち込みのスピードの速いこと。私の2倍くらいの速さで動いてるのを見て、内心ヤバイと思う。それと受験生は中高生のみで年配者が一人もいない。何だか、場違いなところに来た感じ。

 本来なら試合前に充分体を温めておかなければならないのであるが、道場の窓は全開で寒風が吹き込む上、打ち込みも出来ないので体はガチガチに硬くなるばかり。更に緊張感も手伝って、精神的にもガチガチ状態。その内、試合の受付が始まり、名前を呼ばれて紅白に分かれた試合の始まり。

 試合の要領は、2名勝ち抜けば一級認定。どんな人間と当たるかは、運次第。

 正式の試合に出るのは初めてなので、礼の手順だけは頭の中で反復しながら試合を待つ。遂に自分の番が来た。折尾A中学の学生。試合場に入る前に一礼し、試合場中央に進み出て一礼した後、左足、右足と出て、審判員の「始め」の宣告で試合開始。ここで緊張の為に数秒間の記憶が無い。どうやって組んだか覚えてないが、気が付くと相手とお互いに右自然体で組んでいた。実は組み手争いもほとんどやったことが無いので、相手に袖を取られたりしたらちょっとヤバイと思っていたが、無意識のうちに組めて幸い。

 どう攻めようか、と言っても支え釣り込み足しか技がないのであるが、考えていると相手がゆっくりと背負い?に来たため、背中を見せて回り込んできた相手の足を軽く払って、ゆっくりと後ろに倒す。
 仰向けに倒れた相手は、左に体を回してうつぶせになろうとするが、引き手で相手の右袖を掴んだままなので、相手はうつ伏せになれない状態。ここで寝技に入ろうか、どうしようか、一瞬迷った。が、相手の帯を掴んで完全に仰向けの状態にさせて、右腕を相手の首に巻きつけ、奥襟を掴んで袈裟固めに入る。周りからは、A中学の生徒が「逃げろ逃げろ」の大声援。相手の足が、少し絡んできたため、本来の袈裟固めの体制に持ち直して固める。最初の10秒位は必死に全力で押さえ込んでいたが、その内に相手も殆ど抵抗しなくなり、少しだけ余裕を持って押さえ込み続けるが、時間の長いこと。「一本、それまで」の声でやっと試合終了。試合場中央で勝者指示を受け、右足、左足の順で下がって一礼。

 この時点で結構、疲れ。もう一人勝ち抜かなければならないと考えると結構きつい。ところが、私が年だからか、あまりにも勝ち方が華麗であったため?か、審判員が「結構です」。やったーと嬉しさのあまり、試合場外での礼を忘れて係員の所に行こうとして、そこで我に返り、試合場外に戻って礼をする。

 北九州柔道会名の壱級認定証を頂き、これから黒帯への挑戦が始まったのでした。

柔道TOPページに戻る